ジョゼフィーン プール・作/ アンジェラ バレット・絵
あらすじ
第一次世界大戦後のドイツは、貧しくて人々の不満が爆発寸前でした。
そこに現れたのがヒトラーでした。
「ドイツを、ふたたび、強いゆたかな国にする!」
明日の希望もないドイツ国民にとって、ヒトラーは英雄のように見えたでしょう。
ユダヤ人を嫌っていたヒトラーは「ドイツが貧しいのはユダヤ人のせいだ」と言い出すようになり、やがてユダヤ人は迫害されるようになっていきました。
ユダヤ人のアンネ・フランク一家も例外ではなく、一家はオランダのアムステルダムに引っ越しました。
アムステルダムでは友だちと楽しく過ごせていましたが、第二次世界大戦が始まり、オランダでもユダヤ人に対する迫害が始まりました。
見つかれば逮捕されてしまう。
アンネ一家は働いていた事務所のビルの空き家に隠れることになりました。
昼間は下で働いている人に見つからないように音を立ててはいけない、水を流すことさえできない。
音をたてちゃいけないーアンネのような元気な子にとって、それはどんなにつらいことだったでしょう。
アンネの心のよりどころはキティと名付けた毎日書く日記と同い年くらいの男の子のペーターだけでした。
日記には毎日の些細なことや将来の希望、ペーターに対する恋心がつづられています。
そんな生活が2年も続いたのち、ドイツが戦争に負けてついに隠れ家が見つかってしまいました。
アンネ一家はユダヤ人収容所に連れていかれ、終戦後戻ってきたのは父親だけでした。
お父さんの手元に戻ってきたのは「アンネの日記」だけだったのです。
少女の心の叫びが記された一冊の日記帳。
それは、父の手によって出版され、やがて世界中で読まれるようになりました。
『絵本 アンネ・フランク』について
世界中で読まれている『アンネの日記』の伝記絵本です。
アムステルダムにある「アンネ・フランクミュージアム」に保管されているアンネの日記を見に、毎年100万人近い人々が訪れています。
アンネの無邪気な笑顔が次第に暗くなっていくのを見てるだけで胸が締め付けられます。
一少女の日記がなぜこれだけの人に読まれているのか?
そんなことを子どもが考えるのにきっかけになる絵本です。