ドリーン ラパポート (著), マット タヴァレス (イラスト), もりうち すみこ (翻訳)
目も見えず、耳も聞こえず、ことばも話せず、闇と沈黙の世界に暮らしていたヘレン・ケラーが、ゆめの実現に向けて挑戦しつづけた力づよい生涯を、ヘレンののこした希望にみちたことばでつづる。
Helen’s Big World
(冒頭より)
ヘレン・ケラーの生涯や活動を彼女の残した言葉ととともにつづった感動伝記絵本です。
1歳で障害を負い7歳でサリバン先生と出会うまで、ヘレンの世界は真っ暗でした。
「2月の悲しいあの日から、わたしは、まっ暗な、音のない世界に住むことになったのです」
しかし、サリバン先生に「言葉」を教えてもらってからは、ヘレンの世界は明るく大きく広がり、大学を優秀な成績で卒業するまでになりました。
「この世界にことばがあることを知って、わたしのたましいは目ざめました。光と希望とよろこびを得て、闇から解きはなたれたのです」
それでもヘレンのことを理解しない人たちは「見えない」「聞こえない」のに彼女がすべての事が"見え""感じられる"ことが分からないのです。
「闇と沈黙の中で、わたしはひたすら想像力をはたらかせ、思考力をきたえてきました。それはわたしの強みです。かんじんなのは、見える見えないのではないのです。」
ヘレンは87歳で亡くなるまで世界中を回り、戦争反対、労働者や女性の権利向上、障碍者の自立などを訴えてきました。日本にも来たことがありますね。
ヘレン・ケラーが世界で尊敬されているのは、障害を克服していく姿はもちろんですが、彼女のできることや能力を最大限に発揮して世の中を良くしていこうとしていったことも大きいはずです。
「障害とは、目が見えないことではありません。見えない人に対する見える人の態度こそが、障害なのです」