アラン セール・作/ザウ・絵/松島 京子・訳
イチョウは時間やどんな大変動にもたえてきました。放射能や町の公害もおそれません。イチョウの葉は秋に金色に輝き、小さな扇子のような姿をして、多くの芸術家にインスピレーションをあたえています。さあ、何千年にもわたって人間を夢中にさせてきた、イチョウのたくましい歴史をみてみましょう。
イチョウほど世界中の人々に長く愛されてきた木はありません。
どうして私たちはイチョウに魅かれるのでしょうか?
- 地殻変動、火山爆発、氷河期、原爆といった大災害にも耐え抜いた強さでしょうか?
- 扇子のような形の面白さでしょうか?
- 何千年も生き続け、枝が地面についただけで新しい命が生まれる生命力でしょうか?
- 人々の健康の役に立つ薬になるからでしょうか?
古今東西の人たちがイチョウについての言葉を残しています。
「銀杏踏みて静に児の下山かな」(与謝蕪村)
イチョウの持つ力や生命力についてはまだ解明されていないことが多くあります。
それでも一つだけ確実なことは
「人間はまだこの先もずっとイチョウが必要だということです。」