ジョナ ウィンター・作/ジャネット ウィンター・絵/さくま ゆみこ ・訳
目次
あらすじ
ニューメキシコの地名もない砂漠の町の小学校に、突然科学者たちがやってきました。
科学者たちはアメリカ政府が先導する"秘密の実験"のために集められたのです。
この研究所で働く人たちはここで何が行われているか全く知りませんし、ここで働いていることを誰にも言うなと厳しく命令されていました。
科学者たちは昼も夜も研究と実験を繰り返していました。
一体何ができるのでしょうか。
それは秘密で<ガジェット(小さな装置)>という暗号で呼ばれていました。
きっと誰も想像したことのないものが作られているに違いありません。
そして、2年が経ち<ガジェット>は完成しました・・・
『この計画はひみつです』について
この"秘密の計画"によってつくられたのが、原子爆弾です。
この計画が外部に漏れないように、秘密は徹底されました。
事務員やコックといったここで働く人たちは何も知らなかったのはもちろん、研究者たちは名前まで変えて、郵便はアメリカ政府がチェックしていました。
なぜここまで秘密にしていたのでしょうか?
第二次世界大戦中の敵国、ドイツが原子爆弾の開発を急いでいるという噂があり、アメリカ政府はドイツより先に開発しようと急いでいたのです。
1945年7月16日に最初の核実験が行われ、その3週間後の8月6に広島に、8月9日に長崎に原子爆弾が落とされました。
これ以降、原子爆弾による死者は出ていません。
今は世界全体で核兵器の数を減らす方向に向かっていますが、それでもまだ(2016年の時点で)15700発もの核兵器が存在しています。
いつかその数がゼロになることをねがっています。
この想いからこの絵本は作られました。
それにしても、核実験のカウントダウンからの爆発の描写は息をのみます。
見開きで書かれた「10、9、8・・・・1」のカウントダウン後の巨大な巨大なキノコ雲
それが拡がり最後のページは真っ黒です!!
このページで何を思うかは人それぞれでしょうね・・・