及川和夫 作 長野ヒデ子 絵
あらすじ
ルミさんは、全盲で盲学校の先生をしています。
その家の隣に住む女の子、絵里ちゃんはルミさんの出産に立ち会うことになりました。
出産が苦しそうなルミさんを見ていると、エリちゃんは「自分のママもこんな風にがんばって生んでくれたんだ」と思い、胸がジーンと熱くなりました。
生まれた子どもは女の子でした。
名前は「のぞみ」
ルミさんは泣きながら、のぞみちゃんの頭をなでて手を握りました。
退院してから、エリちゃんは毎日のぞみちゃんに会いに行きます。
のぞみちゃんが笑顔になれば「あ!笑った!」とルミさんに教えてあげます。
「ルミさん、見えたらいいね」
思わずそう言ってから、悪いこと言っちゃった!とえりちゃんは胸がきゅっとなりました。
でもルミさんは言いました。
「見えるよ。いのちは見えるよ」
エリちゃんにはその言葉の意味が分かりません。
- どうやったらいのちは見えるんだろう?
- いのちって何?
- こうやって考えたり心臓が動いたりするのが命?
夏休みが終わって学校でエリちゃんはルミさんのことを発表してみました。
そして、みんなの前でルミさんにお話をしてもらうことになりました。
「わたしは、これまで、たくさんの人に、ささえられたり、はげまされたりして、生きてこれたの。みんなの、いのちのおかげね」
そしてクラスのみんなが交代でのぞみちゃんを抱っこすることになりました。
みんな今まで見たこともないような笑顔になっています。
それを見ながらエリちゃんは「みんな、いのちを抱いているんだ」と思いました。
『いのちは見えるよ』について
とても感動する絵本でした。
読む人によって色んなことを思うでしょう。
- 子どもだったら自分がどのように生まれてきたのか
- 親だったらわが子が生まれた時の想いを
そして「いのちは見える」ことについて考えてみてはどうでしょうか?