たじまゆきひこ
目次
あらすじ
島の小学校に転校してきたゆうすけが最初に見たのは、奇声をあげて教室を飛び出してしまうやっくんでした。
やっくんは自閉症児。
お話するのが苦手なんです。
みんなはそれを知っているから、落ち着くまでじっと待っています。
いけないことをしたら、優しく教えています。
無理やり止めるともっと大変なことになるからです。
でもやっくんはとても優しい子です。
卒業式で泣いている先生の手を握って
「うちだはなこ先生 はい おしまい
うちだはなこ先生 はい おしまい」
大人になって郵便局の配達員になったゆうすけは手紙を田んぼの中に落としてしまいました。
みんなから怒られて外へ飛び出したゆうすけの後ろにいつのまにかやっくんが立っていました。
「おおたゆうすけくん はい おしまい
おおたゆうすけくん はい おしまい」
言葉では話ができないのに、心で分かり合える、やっくんは不思議な友達です。
『ふしぎなともだち』について
子どもに「自閉症」について教えたいときに、読み聞かせをするととても分かりやすい絵本です。
もちろん、大人にも・・・
自閉症児は見た目が他の子たちと変わらないので、行動や言動が理解されにくいんです。
そしてそれは親のしつけが悪いだとか親にも非難の目がいきがちです。
そんな集団生活が苦手な子たちはすぐ特殊学級などの隔離された場所へ移されがちですが、周りが理解していればそれも不要なのでないかと考えさせられます。