『におい山脈』椋 鳩十

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椋 鳩十・作/梶山 俊夫・絵

目次

あらすじ

人間に住みかを追いやられた動物たちが集まって、「動物の地球会議」を開いています。

そこで出た結論は「人間のきらいな物で山を作って住む」こと。

 

 

人間の嫌いな物はゴミです。

自分たちで作り出したくせに・・・・

 

そこで動物たちはゴミを集め山にすると街がきれいになっていき、喜んだ人間たちはますますゴミを出していきます。

ゴミを集めた"ゴミ山脈"は地球上の大陸にでき、全ての動物たちはゴミ山脈に引っ越しました。

 

 

動物はいなくなり、ゴミを捨てても町がきれいなままと人間たちは大喜びですが、一つ困ったことが起こりました。

それはゴミ山脈から流れてくるいやなにおいです。

そしてメタンガスも発生して、こりゃたまらんと人間たちはすべてのゴミを海に捨ててしまいました。

 

 

すべての大陸がつながり車で世界中どこへも行けるようになったのですが、溢れた海の水が地上を飲み込んでしまい、残ったのはロッキー山脈やアルプス山脈の頭だけでした。

 

 

結局最後に生き残ったのは山の上の動物と昔ながらの自然の生活をしていた一部の人間だけでした。

『におい山脈』について

1972年に書かれた絵本ですが、見事に現代社会の問題点を描いています。

 

  • 動物との共存問題
  • ゴミ問題
  • 環境問題

など・・・

 

 

椋鳩十の作品は動物が出てくるものが多く、どちらかといえばユーモラスなものが多いのですが、これは真剣に考えなければいけないと思わせてくれます。

 

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