トミー ウンゲラー・作/鏡 哲生・訳
目次
あらすじ
ドイツにある小さな工場で生まれたぼくは、誕生日プレゼントとして男の子・デビッドに贈られました。
ぼくはデビッドと同じ階に住む親友オスカーに「オットー」と名前をつけられていつも一緒に遊んでいました。
で
ですが、ある運命の日にデビッドは「ユダヤ人」と書かれた黄色い星をつけさせられました。
そして、デビッド一家は突然連れていかれて、ぼくはオスカーと二人きりになってしまいました。
そして、戦争がはじまりオスカーのお父さんは戦前に送られました。
空襲が激しくなり、ぼくは吹き飛ばされてオスカーと離れ離れになってしまいました。
ぼくは戦地の兵隊さんに拾われて、それから色々なことがあり、最終的に骨董屋さんのショーウインドウに飾られました。
それから何年も何年もぼくを欲しがる人はいませんでした。
ある晩のこと、一人の老人がショーウインドウの前で立ち止まり、驚いたように僕を見つめました。
「オットーじゃないか!!」
その老人はぼくを家にもらってくれ、この出来事は新聞に載りました。
すると老人の泊まっていたホテルに興奮した懐かしい声が電話から聞こえてきました。
『オットー―戦火をくぐったテディベア』について
戦争による数奇な運命をたどった"3人"の奇跡の再開を描いた絵本です。
テディベアという誰にも愛されるキャラクターと戦争を結び付けたことで、子どもに戦争について知ってもらうきっかけになるのではないでしょうか。
特にドイツ、ナチス、ユダヤ人迫害といったあまり知ることのない出来事を知ってもらうにはうってつけです。
表紙のショーウインドーに飾られているテディベアの修繕跡が戦争の体験を物語り、そして色んな人の助けがあって生き延びてきたんだなと感じさせられます。
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