ジュード イザベラ (著)、シモーネ シン (イラスト)、志多田 静 (翻訳)
あらすじ
アメリカに住む少年、レオが2年間芝刈りのアルバイトで貯めたお金で買ったのはずっとほしかった赤い自転車。
レオはこの赤い自転車を「ビッグ・レッド」と名付け、学校へ行くにも遊びに行くのも一緒でした。
でも月日が経つにつれてレオは大きくなり、反対にビッグ・レッドは小さくなっていきます。
レオはビッグ・レッドを手放すことに決めましたが、どうせなら自分と同じくらい大切にしてくれる人にあげたい。
悩んだレオが決めた送り先は「遠い国の自転車を必要としてる人たちに中古自転車を送っている団体」でした。
レオの寄付したビッグ・レッドは大きな貨物船に乗って長い船旅の末にアフリカ大陸につき、さらにそこからトラックでガーナの小さな村に着きました。
そこではおばあさんと孫のアリセッタが自転車が到着するのを心待ちにしていました。
すると目の前に現れた真っ赤なフレームの自転車!
「これだわ!」とアリセッタと脳裏に浮かんだのは自転車でさっそうと走っている自分の姿でした。
『あかい自転車―ビッグ・レッドのながい旅』について
この絵本を読むまで知らなかったんですが、アメリカには中古自転車を世界の貧しい国におくる活動をしている団体があるんですね。
その団体についても、この絵本で紹介されています。
日本では自転車は娯楽や通勤、通学で使われることが多いですが、海外ではまさに「生活」の一部になっています。
車も通れない荒れた道を通って、多くの荷物を市場に運べば多くのお金をもらえます。
そのお金で学校に通えるようになり、よりよい教育を受けられれば大人になってもっといい仕事につけるようになれるかもしれません。
そして、自転車は救急車の代わりにけが人や病人を運んだりもします。
ビッグ・レッドものちに病院に引きとられて、救急車として活躍することが描かれています。
自転車は夢みる少年少女に希望や新しい世界を与えたりして、人の人生を変えることができるんですね。
そして、なにより自転車だけじゃなくてモノを大切に使おうと思わせてくれます。