バージニア・リー・バートン (著) いしいももこ(訳)
目次
あらすじ
マイク・マリガンはスチーム・ショベルのメアリ・アンのことをとても自慢に思っていました。
何しろメアリは100人の人間が1週間かかって掘るくらいの穴を一日で掘ってしまうのです。
でも、実は今までそんなことをしたことはないので、本当かどうかは分からないんですけどね…
マイク・マリガンとメアリは何年も一緒に穴を掘ってきました。
- 立派な運河を掘ったのも
- 高い山々を切り開いたのも
- 丘を削って高速道路を通したのも
- 飛行機の着陸場のために地面を平らにしたのも
- 高いビルの深い地下室を掘ったのも
マイクとメアリ、そして一緒に働いた大勢の人たちでした。
そして、マイクとメアリは見学人が多いほど、仕事が早くなるのです。
ところが、ガソリン・シャベルや電気・ショベルや、ディーゼル・ショベルなどの新しいショベルが開発されて、スチーム・ショベルの活躍する場がなくなってしまいました!
他のスチーム・ショベルが次々に棄てられていくなかでも、マイクはメアリを手放すことができません。
するとある日、マイクはポッパビルという町で新しい市役所を建てるという記事を新聞で見つけ、「俺たちで地下室を掘りに行こう」と出かけました。
幸い、まだだれが地下室を掘るかは決まっていなかったので、マイクはお役人のところへ行って言いました。
「メアリ・アンと私は100人の人間が1週間かかって掘るくらいの穴を一日で掘ることができるんです」
そんなことができるかどうか本当は分かりませんでしたが、メアリの穴掘りは始まりました。
『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』について
私の大好き絵本作家バージニア・リー・バートンの絵本です。
『ちいさいおうち』
『せいめいのれきし 改訂版』
『ビュンビュンきしゃをぬく』
『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃ』
などをこちらでも紹介させてもらいました。
この絵本もスチーム・ショベルの構造やら実際の穴掘りの作業の様子がかわいらしく描かれていて、興味をそそられます。
そして、メアリの表情も場面場面でコロコロ変わり、マイクとの一体感を感じることができます。
何よりマイクとメアリは自分たちの仕事の有能さをアピールしてはいますが、決して自分たちだけの手柄とは思っていないところが偉いと感じました。
大勢の人たちが見てくれているから、パワーをもらえて仕事を早くこなすことができる
仕事が早く終わるのは、一緒に仕事をしてくれた大勢の人たちのおかげ
こんな考えを持ちながら、日々過ごせればいいですね!
さあ、果たしてメアリは一日で穴を掘ることができたのでしょうか???