『チムとゆうかんなせんちょうさん』 エドワード アーディゾーニ

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エドワード アーディゾーニ ・作/せた ていじ・訳

目次

あらすじ

どうしても船乗りになりたいチムは、お父さんやお母さんにも誰にも内緒で大きな汽船に乗り込んでしまいます。

チムを見つけた船長さんは、チムを叱りながらも「しっかり働くなら船に乗せてやる」と言ってくれました。

 

チムは一生懸命働き、船乗りたちや船長さんにも段々認められてきました。

 

 

そんなある夜、嵐が起こり船が岩にぶつかり壊れて動かなくなってしまいました。

 

他の船員たちはボートで脱出することができましたが、チムと船長さんだけは船に取り残されてしまいます。

怖くて泣いているチムに船長さんはこう言いました。

「やあ、ぼうず、こっちへ こい。なくんじゃない。いさましくしろよ。わしたちは、うみのもくずと きえるんじゃ。なみだなんかは やくにたたんぞ」

チムは涙をふいてびくびくするのをやめました。

 

 

2人はしっかり手を握って船が沈む、最期の時を待っていると・・・チムが叫びました。

「ああ たすかったよ!!」

 

 

救命ボートが二人を助けにやってきたのです。

まさに危機一髪でした。

『チムとゆうかんなせんちょうさん』について

子ども向けの絵本でありながらも、船上や嵐の描写が詳細に描かれていて、ワクワクドキドキする冒険物語です。

 

 

そして、少年が一人の男として認められる場面は世の男の子にとってはたまらない場面ではないでしょうか。

 

 

絶体絶命の場面で船長さんはチムを子ども扱いせずに覚悟を決めるように言ってくれました。

一人の海の男として認められて、チムは嬉しかったのでしょう。

 

チムはもう泣きませんでした。

せんちょうに いわれて、チムは なみだを ふいて、もう びくびくするものかと おもいました。この せんちょうといっしょなら、うみの もくずと なろうとも、かまわないと おもいました。

 

子どもを子ども扱いせず対等に扱うことを、この絵本から考えさせられました。

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