宮本忠夫・作、絵
あらすじ
たけちゃんは捨て犬のボクを拾ってくれたけど、夕方に川の土手の青いテントの前にボクをまた捨てた。
そのことがきっかけで、たけちゃんは青いテントのおじさんと知り合った。
たけちゃんは家出してこの青いテントに住みたいと言ったけど、おじさんはダメだって。
「このテントは飛行船なんだ。出来上がったら空を飛んでいくんだぞ」
たけちゃんも空を飛びたいから、おじさんを船長として一緒に出かけるようになった。
たけちゃんのお父さんとお母さんはいつもケンカばかりしているらしい。
たけちゃんはパチンコばかりしているお父さんを「パチゴジラ」、いつもイライラしているお母さんを「イラギラス」と悲しそうに呼んでいた。
2人を仲直りさせたいけど、船長によればそんな簡単ではないらしい。
たけちゃんが飛行船の船長になれたら、仲直りさせられるかもしれない・・・とたけちゃんは飛行船の操縦士になった。
ボクは助手だ。
船長がたけちゃんに言った命令は3つ。
- 毎日ジョギングをして、体を強くしろ
- 野菜を植えて腹いっぱい食べて、体を強くしろ
- 大好きなことをしろ
それからしばらくたけちゃんは飛行船に来なくなった。
どうしたのかと心配していたら、たけちゃんが元気に走ってきた。
「お父さんとお母さんと約束したよ!もうパチンコしないし、イライラしないって!」
とうとう飛行船が完成した。
そして船長は出発する前にたけちゃんに手紙を渡した。
わしは ひこうせんに のって ぼうけんに いく。
たけちゃんも、じぶんの ひこうせんを つくって、 ぼうけんを してくれ
せんちょうより。
たけちゃんはボクを連れて家に帰った。
たけちゃんはせんちょうで、ボクは操縦士だ。
『青いひこうせん』について
たけちゃんの目的はお父さんとお母さんを仲直りさせることでした。
そして、そのための手段が「飛行船の船長になること」でした。
目的と手段さえはっきりしていれば、望みは叶います。
さらに飛行船の船長になるための手段をおじさんは教えてくれました。
<目的>お父さんとお母さんを仲直りさせる
<手段1>飛行船の船長になる
<手段2>体を強くする、好きなことをやる
<手段3>毎日ジョギングをする、腹いっぱい食べる など
こんな感じで、目的に対して手段を細かく分けていくとより一層やるべきことがはっきりします。
船長になったたけちゃんは飛行船を作って、これからいろんなとこに冒険しにいくのでしょう。
人はみんな自分の人生を旅する船長さんです。
目的と手段をはっきりさせて、冒険を楽しんでみてくださいね。