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「世界一受けたい授業」又吉直樹先生特別講義 「大人も子どもも楽しめる絵本!」の内容をまとめてみました

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目次

名作のあらすじが漫画でわかる シリーズ

吾輩は猫である

有名すぎる作品ですが、内容を知っていた人は番組調べで13%しかいませんでした。

番組でのクイズ

冒頭の書き出し部分 「吾輩は猫である 名前は??」の名前は何でしょうか?

【正解】
まだ無い

夏目漱石はあえて猫に名前をつけないことで、人間社会と切り離し猫目線で人間模様を客観的に書きました。

 

例えば談笑している人間たちを見ると

人間というものは時間を潰すためにおかしくもない事を笑ったり面白くもない事を嬉しがったりする他に能もないものだ

と、動物にはない人間の無駄さ、愚かさなどを冷静に語っていきます。

 

しかし、次第に

呑気と見える人々も心の底を叩いてみるとどこか悲しい音がする

と人間の心の奥の寂しさや哀愁を理解するようになっていくのです。

 

富岳百景

太宰治の実体験を元に描いた小説です。

内容を知っていた人は番組調べでたった4%しかいませんでした。

富士山の見える東京のアパートに住んでいた太宰はこう感じていました。

東京の、アパートの窓からみる富士は、くるしい

 

この当時、内縁の妻の浮気を知り精神的にどん底だった太宰にとって富士山のイメージは最悪でした

そんな環境を変えようと河口湖に滞在する作家、井伏鱒二の元に立ち寄りお見合いをセッティングしてもらいます。

しかし内気な太宰は恥ずかしくて相手を見ることができません。

 

すると壁の上部に富士山の写真が飾ってあり、写真を見て振り向くとお見合い相手の女性の顔が目に入ります。

多少の困難があっても、このひとと結婚したいものだと思った。

あの富士はありがたかった。

 

この富士山がきっかけで二人は交際を始め、太宰はあれほど苦しめられていた富士山に助けられました。

又吉先生 『富岳百景』一押しポイント

富士山を見ようと峠に登った太宰治と井伏鱒二の2人ですが、あいにく霧で富士山は見えません。

退屈そうにする井伏を太宰はこう表現しています。

井伏氏は、濃い霧の底、岩に腰をおろし、ゆっくり煙草を吸いながら、放屁なされた。

つまらなそうな井伏の心情を面白く伝えるために屁で表現したそうです。

山月記

高校の教科書に掲載された回数が最も多い作品で、又吉先生も子どもの頃に読んで衝撃を受けたそうです。

それでも内容を知っていた人は番組調べで20%でした。

古代中国・唐の役人、李徴には詩家になる夢がありました。

役人を辞め、詩家になるために没頭しますがうまくいかず生活は困窮します。

結局詩家になることをあきらめ、再び役人に戻りますが、同僚に馬鹿にされる毎日。

 

いたたまれなくなって発狂した李徴は森に逃げ込みますが、体が虎に変化していきます。

そして意識も虎に変わっていきつつある中で、李徴は森で古い友人と出会い最後のお願いをするのです。

番組でのクイズ

李徴の最後のお願いとは何だったのでしょうか?

【正解】
私が今までに作った詩を後代に伝えてほしい

虎になっていく現実においても、詩家になる夢を李徴は捨てきれませんでした。

私には師も友もなく思い上がって努力もしてこなかった

この自尊心こそが今の虎の姿なのだ

 

虎になってしまうほど捨てきれなかった自尊心を持っていた李徴はこうつぶやきました。

人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い。

 

作者の中島敦は『山月記』を発表した1942年に持病のぜんそくが悪化して33歳で亡くなってしまいます。

生前作品を評価されていなかった中島敦は虎になっていく李徴に自分の心を投影することで、読者に心境を伝えたかったのかもしれませんね。

 

以上『世界一受けたい授業』から又吉直樹先生の特別講義でした。

読んでみたくなった本はありましたか?

 


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