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『こびととくつや』 グリム

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グリム (著), カトリーン ブラント (イラスト), 藤本 朝巳 (翻訳)

あらすじ

あるところに正直者ですが、貧しい靴屋がおりました。

いくら働いても生活は一向によくならず、とうとう残っているのは「靴一足分の皮」だけになってしまいました。

 

ところが靴屋が一晩寝て起きたら、靴が一足できあがっているではありませんか!

 

その靴は大変見事な出来栄えで、高く売れました。

靴屋はそのお金を元に新しい皮を買い、次の朝起きてみるとやはり靴が仕上がっているのです。

 

こんなことが毎日続くので、靴屋はお金持ちになり生活も楽になりました。

「一体だれがこんなことをしてくれるんだろう」と、靴屋は隠れて様子を見ることにしてみました。

すると、夜も更けたころに裸の小人が2人あらわれて、トントントンあっというまに靴を作り上げてどこかに行ってしまいました。

 

「あの小人たちが毎晩靴を作ってくれていたのか。なにかお礼をしなくては・・」

そこで靴屋は小人たちのためにシャツやズボン、靴といった身につけるもの一式を揃えて置いておきました。

 

すると、いつものように夜中になると小人たちがあらわれました。

でも今夜は靴の皮の代わりに服や靴が置いてあります。

 

小人たちはびっくりしましたが、嬉しそうに身につけて歌いながらとんだりはねたりし、外へ出ていき2度とあらわれませんでした。

♪ ぼくら とびきり おしゃれな こびと!
すてきな ふくを みにつけて、
これで おしまい くつづくり!♪

 

それからも靴屋の店は繁盛し、末永く幸せに暮らしましたとさ。

『こびととくつや』について

恐らく世界中の誰もが知っているグリム童話のお話です。

  • 小人たちがなぜこんなことをしてくれるのか
  • なぜ人が見ててはいけないのか

 

疑問は未だに解けませんが、こんな小人たちがいてくれたらなと一度くらい思ったことありませんか?

 

何しろ起きていても寝ていても仕事が進むので、単純に作業効率が2倍になるんですから。

寝る間を惜しんで仕事をする現代人にはうらやましい限りです。

 

『ドラえもん』にも「小人ロボット」という、頼んだ人が寝てる間だけ小人が出てくる道具があります。

のび太も靴磨きやら草むしりやら車の修理やら色々やってもらうのですが、そのたびに寝なくてはいけません。

なので、肝心な宿題をやってもらおうとすると寝すぎたことが災いして、どうしても寝れなくて結局自分でやるはめになってしまいました。

 

こんな童話めいた教訓オチですが、こんな道具あったらいいですよね。

 

それはともかく、この絵本は他の子ども向けに描かれたものではなく、大人が鑑賞できるような洗練された絵になっています。

特に小人が作ったたくさんの靴が並んでいる場面は圧巻ですよ!

 

ちなみに・・・『小人の靴屋』のグリム原作は3部作になっているのは知っていますが?

出てくる小人も設定も異なっていますが、2部、3部になるにつれてホラーチックな展開になっていくので・・・

興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。