ジャスティン ロバーツ ・作/クリスチャン ロビンソン ・絵/中井 はるの・訳
あらすじ
わたしの名前はサリー・マクビー
クラスで一番小さいから誰にも気づかれないの。
だけどわたしは全部見てたんだ。
校庭で誰かが誰かに意地悪したり悪口を言ったりいじめたりしているところを。
なのに、みんな知らんぷりで誰も何も言わなかった。
本当にそれでいいのかな?
だからわたしは思い切って手をあげてみんなに言ってみた。
「みんな なかよくしよう! だれかが ないているの、もう みたくないよ。わたしにさんせいするこは てを あげて!」
最初に手をあげたのはいたずらっこのハワード
それから 優しいモリ―
次々に手があがり、先生たちも手をあげた
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それから いじめっこはいじめた子にごめんなさいと謝った。
かなしい かおは みたくない。みんな なかよくしようよ。それが いちばん。そう、おもわない?
そして みんなは、ときどき そのときのこと おもいだす。 あのとき みんなが おなじきもち だったことを。わたしみたいな ちっちゃな おんなのこだって かえられることを。
『ちっちゃな サリーは みていたよ ひとりでも ゆうきを だせたなら』について
「いじめ」についての絵本です。
加害者のことはもちろんですが、見てみぬふりをする周りの子たちに向けてもメッセージを送っています。
そのメッセージを送る役割を一番体が小さくて誰にも気づかれないサリーが担っています。
でも小さいからこそ、他の子たちとは違う高さの景色が見えていじめにも知らんぷりにも気づいて見過ごさなかったのです。
そしてサリーは一般的な子どもの象徴ではないでしょうか。
大人が気づかないいじめや陰口に気づいて、どうにかしようとは思うけど勇気が出ない。
そんな小さなサリーが手を挙げてみんなの心を変えてくれました。
その証拠に前半の校庭で遊んでいる子どもたちは怒っていたり、ボールの取り合いをしたり、ケンカをしていたりと殺伐としていました。
ところが、後半の絵ではみんな仲良く遊んでいます。
どんな子でも勇気を出せば、いじめはなくせるはずです!!
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