ブリッグズ マーティン ジャクリーン (著), メアリー アゼアリアン (イラスト)、千葉 茂樹 (翻訳)
目次
あらすじ
昔々、ある農村にウィリーという男の子がいました。
ウィリーは雪が何よりも大好きでした。
お母さんに顕微鏡を買ってもらってからは、他の子たちが雪合戦などで遊んでいる時に、ウィリーは一人で顕微鏡で雪の結晶を観察していました。
それにしても雪の結晶の細やかで美しいこと!
6本枝の雪の結晶は、ひとつひとつ違う姿をしているのです。
ウィリーはこの美しい雪の結晶をみんなに知ってもらおうと、3年間で300枚ほどのスケッチを描きあげました。
「わたしは、雪の結晶は最高のデザインだということに気づいた。けっしておなじ形がくりかえされることはない。雪がとけるとともに、これほどにも美しい形は、あとかたものこさずに消え去ってしまう」
それから、ウィリーは当時とても高価だった顕微鏡のついたカメラを手に入れ、失敗を繰り返しながらも工夫をこらして雪の結晶写真を何百枚も撮っていきました。
最初は雪の結晶の写真など誰も見向きもしません。
しかし、50年後にはウイリーこと"「雪を愛したベントレー"ジェリコが生んだ世界的な雪の専門家」ウィルソン.A.ベントレーの名前は世界に広まることになるのです。
『雪の写真家ベントレー』について
「水はじつにさまざまな表情をもっているが、雲のなかではぐくまれ、つきることなく舞いおちる6本枝の雪の結晶ほど、美しく、変化に富んだものが、ほかにあるだろうか」
アメリカの豪雪地帯の一介の農夫だったベントレーの伝記絵本です。
ベントレーの残した雪の結晶の写真は高く評価され、世界中の人が雪の美しさや神秘的な魅力を知ることができました。
どの偉人にも共通して言えることですが、全く注目されずに笑われたり陰口を叩かれたりしても、自分のやりたいことや信じていることに対してまっすぐであきらめずに突き進んでいきます。
何より「認められたい!」「評価されたい!」「お金を稼ぎたい!」という欲がなく、無心で突き進むことが結果的に成功につながっていくのだと感じました。
何しろ、ベントレーは写真には15000ドルを使い、写真を売ったお金は4000ドルですからね。
雪の結晶の写真はたくさんの本で見ることが出来ます。
星型・扇形・つづみ形・シャンデリア風・三角形など、雪の結晶は本当にたくさんの形があって同じものは決してありません。
自然の芸術には本当に感動させられます。
雪が降るたびに、ベントレーの想いを思い出してあげてくださいね❄