マーシャ・ブラウン (イラスト), せた ていじ (翻訳)
目次
あらすじ
昔むかしあるところに、大・中・小の体の大きさが違う3匹のやぎがいました。
名前はみんな「がらがらどん」といいました。
ある日、がらがらどんたちは草を食べに山へ登ろうとします。
でも、途中の谷川に橋があって、その下には大きい気味の悪い妖精トロルが住んでいるのです。
最初に一番小さいやぎのがらがらどんが橋を渡ります。
かた こと かた こと
次に2番目に大きいがらがらどんが橋を渡ります。
がた ごと がた ごと
2匹のがらがらどんはトロルに襲われそうになりますが、「もっと大きいがらがらどんが来る」と言って危機を回避していきます。
さあ、一番大きながらがらどんが橋を渡ろうとやってきました。
がたん ごとん がたん ごとん
「誰だ、俺の橋をがたぴしさせるのは!」トロルが怒鳴りました。
それに対して、がらがらどんはもっと大きな、がらがら声で叫びました。
「おれだ! おおきいやぎのがらがらどんだ!」
がらがらどんはトロルに飛びかかり!
あっという間にバラバラにしてしまいました。
『三びきのやぎのがらがらどん』について
「誰もが一度はこの絵本を読んだことがあるはず」と言い切ってもいいくらいの有名な絵本です。
でも、どうしてこんなに子どもたちはこの絵本にはまるんでしょうか?
何しろ、1965年に発売されて今までずっと読み続けられているんですよ。
- 決して子ども向きのかわいい絵でもないし、
- ストーリーも???だし
- ほとんどの子どもが得体のしれないトロルにトラウマになるし・・・
多分ですが、がらがらどんに迫りくる恐怖をリアルに感じられて、ハラハラドキドキする自分にはまるのではないでしょうか?
そして、そのハラハラドキドキをあおるのが、ずばり橋を渡る音!
がらがらどんが大きくなるにつれて、橋の音も
「かた こと」⇒「がた ごと」⇒「がたん ごとん」
と大きくなっていき、いやがうえにも臨場感を盛り上げていきます。
そして、一番大きながらがらどんとトロルとの対決に向けて気持ちが高まっていきます。
ところが、トロルとの対決はあっという間に終わってしまい、そのまま何事もなかったかのようにお話も終わってしまいます。
そのお話を占めるのがまた謎のオノマトペ、
チョキン バチン、 ストン ですからね!
こういうのに子どもは口真似をしたり、はまってしまうのではないでしょうか。
ちなみに「がらがらどん」という名前は原作で使われているGruff(しわがれ声、荒々しい)という言葉からのイメージだそうですよ。
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