本を選ぶ基準は人それぞれでしょうが、その中の一つに「ジャケ買い」というのがあります。
本の表紙や挿絵などに魅力を感じてつい手元に置いておきたいなんていう経験ありませんか?
そんな素敵な本が本棚に置いてあったりすると、部屋のイメージが変わったり気分が明るくなったりすることもあるでしょう。
昔、女優の岸田今日子さんがこんなことを言っていました。
開いて読まなくてもいいんです。本棚にこの本の背表紙がちらっと見えて、あ、そこにあるなと思うだけで、何となくほっとしてしまう。そんな本なんです。
こんな本に出会えるってとても運命的で素敵なことだと思いませんか?
そこで、今回は「読まなくてもいい、置いておいて眺めるだけでも楽しい絵本」を5冊紹介してみました。
『翻訳できない世界のことば』
この本が、読者のみなさんにとって、
忘れかけていたなにかを思い出すものであったり、
または今まではっきりと表現したことのなかった考えや
感情に言葉をあたえるものであればと願っています。「はじめに」より
私たちの世界は言葉であふれています。
言葉は人の考えや感情を相手に伝えてくれる素晴らしいものであり、社会生活を営む上で欠かせないものですね。
ところが、言葉が世界に広まっていくとその地域で次第に変わっていき、独特の文化やコミュニケーションを作っていきます。
なので、自分では当たり前に使っている言葉でも一言では他の国の言葉に訳せないものがたくさんあるのです。
例えば「愛してる」という言葉は世界でこんなにたくさんの言語で使われています。
そして、言葉に表せない表現や感情も数多くあります。
そんな自分のうまく表せない感情を、世界のどこかで使われてたりするとすごい嬉しくなってきませんか??
そして、そんな名もなき感情にもちゃんと名前があるのが分かると特別で自分のものになったような気がしてくれるのは私だけでしょうか?
この本はそんな「翻訳できない言葉」を世界中から集めて、アートチックなイラストと著者による完成溢れる解説で紹介しています。
ちなみに「翻訳できない」とは「BOOK=本」というように決まった言葉に訳せないという意味です。
ということは言い換えればその人の感じたように訳しても構わないと私は解釈しています。
その言葉を使うことはなくても、その言葉の存在を知るだけでも楽しめ、表紙の美しさも合わせてまさに「眺めているだけで楽しめる絵本」です。
日本語は「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」が紹介されています。
これらの言葉は日本人が当たり前に使っていますが、いざ外国の人に説明しようとするとなかなか難しい。
特に「わびさび」なんて日本独特の分化であり、なかなか理解してもらうのは難しそうです。
この絵本では日本人にとっては当たり前のこんな言葉たちの内面や意味の奥深さをドラマチックに説明しています。
そして、日本語以外の言葉についても、「こんな言葉があるのか!」と驚くような言葉が取り上げられていて、ページをめくるたびに発見があります。
是非手元に一冊置いておいて、外国映画を観るような、世界旅行に行ったような気分になってみてはいかがでしょうか?