マーガレット バーディック・作、渡辺 茂男・訳
あらすじ
かわうそのボビーは、アナグマさんのお店で、素敵なヨットのおもちゃを見つけました。
大きな白い帆に青い船体。ボビーはほしくてたまりません。
小さなカードには、こう書かれていました
「ビーバーさんの さくひん――いいものと こうかんします」
「あんな すてきな ヨットと、こうかんできる いいものって、なんだろう?」
たくさん考えたボビーが持っていったのが、カエデの森で拾ったたくさんのきれいな落ち葉。
でもこれでは、交換してもらえませんでした。
次に持っていったのがニレの枝、その次が川の中にあったきれいな小石。
でもやっぱり交換してもらません。
どうしてだめなのかアナグマさんに教えてもらいながら、ボビーが最後に持っていったものをビーバーさんはとても気に入ってくれました!
『ボビーとそらいろのヨットについて』
あまり知られていないのですが、子どもたちにぜひ読んでもらいたい素晴らしい絵本でした。
シルバニアファミリーを連想させる動物たちの絵柄がとてもキュートでかわいらしいのでどんな動物がいるのか見るだけでも楽しめます。
この絵本から学べることはこんなことです。
- 相手の立場に立ってモノを考えること
- どうしても欲しいものを手に入れるには
- すぐ手に入るものはすぐ飽きてしまうこと
- 等価交換について
まず、ボビーが最初に選んだきれいな葉っぱはいずれ枯れてぼろぼろになって無くなってしまいます。
ニレの枝もビーバーさんが食べてしまえばなくなってしまいます。
そうするとボビーだけがヨットを手にすることになってしまいます。
川の中にあったきれいな光る石も乾いてしまえばただの石ころになってしまいました。
ボビーは自分では素晴らしいものだと思っていたのですが、ビーバーさんにはそうではなかったことに気がついたのです。
「ああ、そうか」「ビーバーさんにわるいもんね。」
でも、どうしても青いヨットが欲しいボビーは、カエデの森の向こうに沈む夕日を見ながら考えます。
空色のヨットと交換できる、美しくていい物・・・ビーバーさんがいつまでも楽しめるもの…
空色のヨットに乗っている夢まで見るほどヨットが欲しいボビーが選んだものはぜひ絵本を読んで確認してみてください。
ここまで思い続けて苦労して手に入れた大切な宝物をすぐに飽きたり無下に扱うことなんてできなくないですか?