マーガレット ワイズ・ブラウン (著), レナード ワイスガード (イラスト), わたなべ しげお (翻訳)
あらすじ
ひとりぼっちのうさぎが卵を見つけました。
何かが中で動いています。
何が入っているんだろう??・・・
うさぎは
- 卵を振ってみたり、
- 足で卵を押したり、
- 木の実を卵にぶつけたり、
- 丘の下へ転がしたり、
それでも卵は割れません。
うさぎは疲れて眠ってしまいました。
ピシ ピシッ ピシッ
ピシ ピシ ピシッ
パチパチパチ!!
卵が割れて、卵の中から小さい黄色のアヒルが飛び出しました!
『きんのたまごのほん』について
色とりどりの花や蝶が描かれリボンで装飾された卵をウサギが触っています。
この表紙から分かる通り、「イースター」を描いた絵本ですね。
イースターはキリスト教の「復活祭」のことであり、日本ではまだなじみがないかもしれませんが、海外では一大イベントとして盛大に行われています。
カラフルに彩られたイースターエッグが日本では有名ではないでしょうか。
ではなぜ、卵とウサギなのか?
卵には"生まれてくる命"という意味があり、キリストの復活を意味しています。
そして、卵に花や虫などの模様を描くのは、イースターが「春を迎える」という意味もあるからなのです。
春には、冬の間に土の下に眠っていた植物や虫たちが一斉に顔を出すので、これも"復活"と連想することができますね。
そして、このイースターエッグを運んでくるのが"イースターバニー"と呼ばれるウサギなんです!
ウサギは子どもをたくさん産むことや、春によく見られることから"五穀豊穣"の象徴とされてきたのです。
そして、ウサギが卵を丘の下へ転がして割ろうとしたのも、「イースターエッグロール」と呼ばれるイースターで行われるゲームの一つです。
丘からスプーンで卵を転がして、一番早く着いた人の勝ち、最後まで割れなかった人の勝ち などのローカルルールがいくつかあります。
こんな風にイースターの要素をふんだんに取り入れていて、イースターの魅力をさりげなく気づかせてくれる絵本です。
表紙のイースターエッグや絵本の中には数えきれないくらいの花々が詳細に美しく描かれています。
どんな花があるのか、ぜひ探してみてくださいね🌸