ミシェル・マーケル (著), ナンシー・カーペンター (イラスト), 金原瑞人 (翻訳)
あらすじ
「ニューベリー賞」って知ってますか?
1922年に創設されたアメリカで最も有名な児童文学賞です。
「アメリカの児童文学に最も貢献した優れた作品」に与えられる賞ですが、実はこの賞の"ニューベリー"という名前はとあるイギリス人の名前からなんです。
ちなみに受賞作品は
- 1923年『ドリトル先生航海記』
- 2019年『スアレス一家は、今日もにぎやか』
- 2016年『おばあちゃんと バスにのって』
などがあります。
なぜ、アメリカの賞にイギリス人の名前が使われているのでしょうか?
それは"子どもの本の父"と呼ばれる1人のイギリス人、ジョン・ニューベリーの功績によるものです。
これはそのジョン・ニューベリーの生涯をコミカルに描いた伝記絵本です。
ジョン・ニューベリーが子どもだった18世の頃は本は大人が読むもの、子どもは聖書とか規則について書いた本、説教くさい本などを読ませられていたそうです。
そして印刷会社で働きだしたジョンは出版のイロハを学び、ジョン・ニューベリー社をロンドンに設立。
有名な教育者であり哲学者でもあるジョン・ロックに影響を受けたジョンは「子どもたちのためにいい本をつくろう!」「楽しくなければ本じゃない!」と子どもたちに向けた本をたくさん作りました。
本におまけをつけたり、子どもがポケットに入れて持ち歩ける大きさにしたり、かわいい挿絵を描いたりと、子どもたちはジョンの本に夢中になりました。
ジョンの作った「子どもの本」がアメリカにも渡り、児童文学の発展に貢献したということで、ニューベリー賞が制定されたのでした。
教育において大切なことは、子どもを強く たくましく すこやかに 正しく かしこく 幸せにしてやることだ。
ジョン・ニューベリー『小さなかわいいポケットブック』より