レイフ・クリスチャンソン
お子さん(特に小学生)がいる人にはぜひ読んで,お子さんと一緒に考えてほしい絵本です。
一人の男の子が泣いています。
泣いている男の子の後ろの無表情のクラスメイトたちが次々に「わたしのせいじゃない」と主張していきます。
だれも「自分が悪かったです」とは言いません。
ただこれだけです。
ここに出てくる「わたしのせいじゃない」と主張している子どもたちは、自分には「関係ない」と思っているんでしょうね。
でもいつ誰に関係してくるかなんて分かりません、
いじめなんていつ誰がターゲットにされるのか分からないんだし。
その時に、クラス中で「わたしのせいじゃない」なんて言われたらどんな気持ちがしますか?
あなたの教室で友達がいじめられて泣いていたら・・・あなたはどの理由で「わたしのせいじゃない」と言いますか?
「ただ見ていただけで何もしてないから」
「みんがやっていたから」
「みんなと違うあの子が悪いから」
たくさんクラスメートがいれば、友達がいじめられて泣いていても、きっと「わたしのせいじゃない」って思ってしまうかもしれません。
でも、本当に「わたしのせいじゃない」んでしょうか?
でも、たとえあなたが何もしていなくてもその場にいただけでも「わたしのせいじゃない」って誰かのせいにするのは「あなたのせい」になるんです。
クラスの一人一人が「わたしのせい」って思えていればもしかしたら違う結果になったのかもしれません。
この絵本の後ろの方に戦争関連の白黒写真が何点か載っています。
- お腹を空かした子どもや傷を負った子ども
- 戦争に行かなくてはいけない子ども
- 戦争によって油まみれになった鳥
子どもにはこんな世界は身近ではないし想像するのが難しくて、自分には関係ないことだと思ってしまうかもしれません。
でも、本当に関係ないんでしょうか?
「私には関係ない」「私のせいじゃない」って言っていると気がつかないうちに大変なことに巻き込まれたりもします。
「わたしのせい」「わたしにかんけいがある」といろんなことを見て感じて声をあげていかないといけないと思います。