『巨男(おおおとこ)の話』 新美 南吉

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新美 南吉 (著), 津田 真帆 (イラスト)

目次

あらすじ

巨男(おおおとこ)は恐ろしい魔女の母親と深い森の中に住んでいました。

 

ある月の出ている夜に、3人の女の人が巨男の家を訪ねてきました。

1人はある国の王女であり残りの2人は侍女で、道に迷って訪ねてきたのです。

 

魔女の母親が快く家に入れてあげて、3人は休むことができました。

 

 

ところが、朝になってみると王女様は白鳥に、侍女たちは黒い鳥になっていました!

魔女の母親が魔法で鳥に変えてしまったのです。

 

黒い鳥は逃げてしまいましたが、白鳥は戻ってきました。

そして、やさしい巨男はこっそり白鳥をかくまってやることにしたのです。

 

年がたって、魔女の母親は体が弱ってベッドに寝たきりになりました。

 

巨男は母親から人間を動物に変える魔法はたくさん教わってきましたが、魔法を解く方法はまだ教えてもらっていません。

 

このままではあの白鳥はいつまでたっても人間に戻れない・・

 

 

と死にそうな母親に魔法を解く方法を教えてくれるように頼みました。

 

母親は息も絶え絶えに「その動物が、涙を流せば、元の姿に戻れるよ・・」と言い残して死んでしまいました。

巨男はあらゆる方法で白鳥に涙を流させようとしたのですが、白鳥は一向に涙を流しません。

森を出て町へ行った巨男はある出来事を通し、たった一つの方法を思いつきました。

巨男(おおおとこ)の話

ここで何回も紹介させてもらっている『ごんぎつね』などで有名な新美南吉の絵本です。

 

日本を舞台にした作品が特徴の新美南吉では珍しいグリムやアンデルセン童話をイメージさせる外国のお話でした。

 

巨男は体は大きいが心はとてもやさしく、魔女である母親が人間たちを動物に変えてしまうことに心を痛めながらも、ほっておくことができずに最後まで世話をしています。

 

そして、魔女の母親が今までやってきたことの償いとして、最後に"たった一つの方法"で白鳥の魔法を解いてあげるのです。

 

どこまでもやさしい巨男の行動に心打たれます。

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