サン=テグジュペリ・作/管 啓次郎 ・訳
目次
あらすじ
砂漠に飛行機が不時着した「ぼく」は、不思議な少年と出会いました。
その少年は遠い星から来た"星の王子さま"で、自分の星で仲の良かったバラの花とけんかをしてしまい、宇宙に旅立つ決心をしたのでした。
王子さまは地球に来る前に宇宙で6つの星をめぐり、6人のへんてこな大人たちと出会い疑問を感じながら地球にやってきました。
地球に来ても、王子さまは出会う人や起こる出来事に何かがおかしい、何かが間違っていると悩んで悲しい思いをしてきました。
そんな時に、砂漠で出会ったキツネに「本当に大切なこと」について教えられて心を落ち着けることができました。
そんな時に「ぼく」と出会い、今まで起こったことを話し、お互い親友と呼べるかけがえのない存在になっていきます。
それでも残してきたバラのことが気がかりで王子さまは地球に肉体だけを残して王子さまの星へ帰っていきました。
『星の王子さま 完訳絵本』について
何かおススメの本を一冊紹介してくれと言われたら、絶対に「星の王子さま」を薦めるくらい私の中では「BEST1」の作品です。
聖書の次に世界中で読まれていて、様々な解釈本も出ている不朽の名作です。
何回読み直しても新しい発見があり、その時の精神状態や気持ちによって解釈が変わり、一生読み続けられる本だと確信しています。
自分なりに解釈をして記事を書いたり講演までやらせてもらったりして、とても思い入れのある作品でもあります。
何人もの人に訳されているので、翻訳者によって微妙にニュアンスが違うので、読み比べをしてみるのも楽しいです。
王子さまは子どもっぽいイメージですが、この絵本では一人称が「おれ」、2人称が「お前」となっているので、そこに「イメージが違う!」と違和感を抱くかもしれません。
さらに王子さまに「一番大切なこと」を教えてくれるキツネが「ぼく」と言ってるのでそこにも引っかかる人がいるかもしれません。
自分の持っているイメージを大切にすることもいいですが、新しい王子さま像として楽しんでみるとまた新しい発見があるかもしれませんよ!
日本の和紙で作られた美しい映画原作のキャラクターが従来の挿絵とまた違った王子さまの世界を届けてくれます。
お手元に一冊置いておいて時々ページをめくっては絵だけを眺めてみるのも癒されます。