第Ⅷ章 星の王子さまの帰還
ここでのキーワードは
- こころの眼
「こころの眼」
王子さまは地球で出会ったキツネから”秘密”をプレゼントされます。
それが有名な言葉「大切なことは目に見えない」 です。
これは「こころの眼」をもつことが大切であるということを教えてくれます。
こころの眼を持った王子さまは庭に咲き乱れている5千のバラを見てと悲しそうにつぶやきました。
人間たちはこころの眼がないからとりあえずたくさんのバラを作って心の隙間を埋めようと必死です。
しかしそんなことでは心の隙間はとても埋めることができません。
本当に愛する人が振り向いてくれないから、手あたり次第恋人をとっかえひっかえしても結局さびしさは晴れない。
金にまかせてブランド品を買い漁ってもきりがなくどこか虚しい感じがする。
しかし大人だって昔は誰でも「こころの眼」を持っていたはずです。
子どものころは今では考えられない他愛もないことにほほえみを浮かべて幸福を感じていたことを忘れていませんか??
お金やモノがないと幸せになれないなんて、子どもの頃には思ったこともないはずです。
しかし人生を歩み続けると、迷いや誘惑などによっていつのまにかほほえみを忘れて心の眼は濁ってきてしまいます。
王子さまはきっとかつては子どもだった大人たちに一番言いたかったのはこのことではないでしょうか。
「幸せになるのは難しいことじゃないよ。こころの眼を持って常にほほえみを絶やさず、勇気を持って進むだけだよ」
そして王子さまは星に帰るのに、遠すぎるという理由で砂漠の真ん中でヘビに自らをかませて命を絶ってしまいます。
しかしそこに悲壮感はありません。
王子さまの星は小さすぎて地球から見たらどれかは分からない。
だから見える星の一つを王子さまの星だと思って眺めてほしい。
そうすれば、どの星も眺めるのが好きになり、星がみんな友だちになる。
「一つの星のなかで笑うんだ。だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑ってるように見えるだろう。すると、きみだけが、笑い上戸の星を見るわけさ」
王子さまは死して宇宙と一体になり、ほほえみのパワーを送ってくれるのです。
幸福になるには「宇宙との一体感」や「ほほ笑み」が必要であるとくり返し言ってきたが、これがその集大成です。
王子さまの空からの贈り物は誰でも受けることができるので、幸福になりたいのなら夜空を見上げて星を見てみましょう